Debian JP Project
Debian 開発者の会会則

• 用語定義

  以下、Debian とは Debian Project (http://www.debian.org/) によって開発されている「フリーなオペレーティングシステム」のことである。

• 第1章 総則

  第1条 (名称)

  1. 本会の名称を「Debian 開発者の会」とする。
  2. 本会の英文名称を "Debian JP Project" とする。

  第2条 (理念および目的)

  1. 本会は Debian Project (http://www.debian.org/) の定めた Debian 社会契約 (http://www.debian.org/social_contract) の趣旨に賛同し、Debian の開発と普及を通じて日本における フリーソフトウェアの健全な発展を目指すことを理念として 掲げる。
  2. 前項の理念に沿って、本会の目的を以下の通りとする。
     1. Debian の開発作業 (文書や Web ページなどの翻訳を含む) への貢献と 利用者への普及推進
     2. フリーソフトウェアの健全な発展への寄与
     3. Debian およびフリーソフトウェアの開発と普及による産業、学術、文化の進歩と発展

  第3条 (活動)

  前条の理念及び目的の達成のため、本会は以下の活動を行う。

  1. 会員相互および外部との相互接続性確保と発展のための組織的取組み
  2. 会員への Debian の開発と利用に関する日本語での情報提供とその環境整備
  3. 日本国内への Debian の普及活動
  4. 海外の Debian 利用者との協調
  5. Debian Project への貢献
  6. その他前項の目的達成のため必要となる活動

• 第2章 会員

  第4条 (会員の範囲)

  1. 本会の会員は
     • 本会が定める電子的な会員名簿に、名前および自身を証明する情報を登録されている個人
     によって構成される。
  2. 本会の会員は、次の 2 種とする。
     1. 正会員 本会の目的に賛同し、総会における議決権および役員選挙における選挙権、被選挙権を持つ個人
     2. 賛助会員 上記の議決権、選挙権、被選挙権を持たない個人

  第5条 (入会)

  1. 第2条に定めた本会の理念および目的に賛同し、その活動に参加する意欲を持つ個人は、 本会所定の手続き、並びに本会理事会の承認を経て本会会員に なる事ができる。
  2. 賛助会員は、本会所定の手続き、並びに本会理事会の承認を経て 本会正会員になる事ができる。
  3. 理事会は、入会申請者が、第 2 条に定める本会の目的に賛同する者と認めたときは、正当な理由がない限り入会を認めなければならない。

  第6条 (会員の権利と責務)

  1. 本会の会員は次の権利を持つ。
     1. 非公開の会員会議に参加し、意見を述べることができる
     2. 総会に参加し、意見を述べることができる
  2. 本会の正会員は次の権利を持つ。
     1. 総会に参加し、議決権を行使できる
     2. 本会役員に立候補できる
     3. 本会の運営するシステムの利用権を持つことができる
     4. 本会の活動に関連して必要であれば、本会が所有する 有形無形の資源を利用できる
  3. 本会の会員は次の責務を持つ。
     1. 本会の理念および目的に従って、積極的に活動に寄与すること
     2. 本会則に同意し、その規定に従うこと
     3. 確実に連絡可能な手段を維持すること
  4. 本会の正会員は次の責務を持つ。
     1. 本会の総会および役員選挙において議決権を行使すること
     2. 本会が提供する成果物に対して貢献すること

  第7条 (退会)

  1. 本会の会員は、所定の手続きにしたがって随時退会することができる。
  2. 会員が次の各項に該当するときは、理事会による議決を経て退会したものと見なす。
     1. 死亡または失踪宣告を受けたとき

  第8条 (資格停止)

  1. 以下のいずれかに該当する会員は、理事会による議決を経て本会の会員たる資格を停止する。
     1. 本会の会員としてふさわしくない行為を行った場合
  2. 以下のいずれかに該当する正会員は、理事会による議決を経て本会の正会員の資格を停止し、賛助会員に資格を変更する。
     1. あらかじめ届け出た連絡手段が 1 ヶ月以上機能しない状態で放置された場合
     2. 毎月の初日に活動確認し、その時点で本会の活動に参加していない状態が 1 年 6 ヶ月以上継続した場合
     3. 但し、前条 1 項または 2 項により資格停止された場合、その理由となった状態を解消できた時点で、再登録を申請できるものとする。

• 第3章 役員

  第9条 (構成)

  1. 本会は以下の役員をおく。
     1. 会長 (理事): 1名
     2. 事務局長 (理事): 1名
     3. 副会長 (理事): 1名以上
     4. 監事: 1名以上
  2. 会長、事務局長、副会長は本会の理事として理事会を構成する。
  3. 監事はオブザーバとして理事会に参加できるものとする。
  4. 理事と監事は相互に兼任できない。
  5. 各役員は、それぞれの意志により、正会員の中から代行を指名して 以下の事項を委任できるものとする。
     • その職務のうち特定の範囲
     • 期間を限定 (10日間以内) した上での全権
  6. 代行就任を依頼された場合、正会員は自分の意志で断わることができる。
  7. 役員が正会員に代行就任を依頼し、それが承諾された場合、 以下の事項について会員会議上で告知しなければならない。
     • 代行者の氏名、本会の保有するシステム上に登録されている名称、電子メールアドレス
     • 委任する職務の範囲、または委任する期間
  8. 各役員は理由の如何を問わずいつでも委任を取り消すことができる。
  9. 代行者に委任された権限は、依頼した役員の退任と同時に消滅する。

  第10条 (選出)

  1. 正会員の中から会長と監事をそれぞれ選出する。
  2. 会長の選出と監事の選出はそれぞれ正会員による独立した選挙を行なう。
  3. 会長選挙と監事選挙の実施時期は同一でもよい。
  4. 会長は、事務局長および副会長を正会員から選出する。
  5. 事務局長または副会長就任を依頼された正会員は、自分の意思で断わることができる。
  6. 監事は、理事を兼ねることはできない。
  7. 各役員の任期は本会の 1 会計年度とし、多選及び再任については妨げない。
  8. 理事会が必要と判断した場合、欠員を補充できる。
  9. 役員の補欠選挙には、以下の点を除き通常の選挙と同一の規定を適用する。
     • 任期は前項の規定にかかわらず、前任者の残任期間とする
  10. 会長が長期的 (3 ヶ月以上) かつ継続的に職務を遂行できない場合、 以下のいずれかの処置を取るものとする。
      • 残りの任期が半年以上あれば、再選挙を行ない、 任期満了までの理事を全員選出し直す
      • 残りの任期が半年未満ならば、副会長 1 名が代行し、総会での承認を得る
      • 代行決定について総会での承認が得られない場合は会長の 再選挙を実施する
  11. その他の理事が職務を遂行できなくなった場合、会長は速やかに後任を正会員から選出する。
  12. 監事が職務を遂行できなくなった場合、 以下の処置を取るものとする。
      • 現任監事が1名のみの場合、または理事会で必要と認めた場合は 監事について補欠選挙を行なう
  13. 役員の選挙は、正会員の3分の1以上の投票によって成立し、投票者の過半数の承認を得て議決する。

  第11条 (役員の責務)

  1. 会長は本会の事務を総理し、本会を代表する。
  2. 必要な場合、会長は臨時に各役員の職務を代行できるものとする。
  3. ただしこの場合、代行した内容について総会に報告することが必要である。
  4. また監事の職務については、総会において代行した内容と理由について報告し、 承認を得ることが必要である。
  5. 前項の承認が得られない場合は会長について再選挙を行ない、任期満了 までの会長を選出し直すものとする。
  6. 会長がその職務を遂行できない状況で、かつ緊急な対処を必要とする場合、 以下のいずれかの処置を取るものとする。
     • あらかじめ会長により指名された理事がその職務を代行する
     • 指名が無かった場合は理事間の互選により代行を決定する
     ただしこの場合、代行者および代行した内容を総会へ報告することが必要である。
  7. 事務局長は事務局 (後述) を統括管理運営する。
  8. 理事は理事会を組織し、この定款に定める事項を決議し執行する。
  9. 監事は以下の職務を行なう。
     1. 本会の財産の状況を監査する。
     2. 理事の業務執行の状況を監査する。
     3. 財産の状況又は業務の執行について問題のあることを発見したときは、 これを総会に報告する。
     4. 前号の報告を為すため必要あるときは総会を召集する。

• 第4章 組織

  第12条 (総会)

  1. 総会は本会の最高意志決定機関である。
  2. 総会は正会員をもって構成する。
  3. 総会は会長がこれを召集する。
  4. 総会は以下のいずれかの場合に開催されるものとする。
     1. 年1回 (定期総会)
     2. その他次項に定める要件が満たされた場合 (臨時総会)
  5. 臨時総会は以下のいずれかに該当する場合に開催されるものとする。
     1. 理事会および監事が必要と認めた場合
     2. 正会員総数の4分の1以上の署名のある書面または電子メールにより 理事会に要求がなされた場合
  6. 総会は、議場に集合するか電子メールなどの電子手段で開催できる。
  7. 総会の議長は、会長がこれを務める。ただし、必要に応じ総会に出席した 正会員の中からも選任できるものとする。
  8. 総会においては以下の事項を議決する。
     1. 役員の選任。ただし、役員の選任は総会と別に行なうことができる。その場合には、会員による投票結果をもって総会において承認されたと見なす
     2. 会計報告および監査報告
     3. 本規約の変更
     4. 活動計画および予算
     5. その他本会の運営に関する重要事項
  9. 総会は、正会員の3分の1以上の出席または委任状の提出をもって成立する。
  10. 総会での決議事項は特に定める場合を除き、出席者の過半数の承認を得て議決する。

  第13条 (理事会)

  1. 本会はその運営を目的として会全体を統括する理事会を設置する。
  2. 理事会は理事によって構成される。
  3. 理事会は会長が召集する。
  4. 理事会の議長は会長がつとめる。
  5. 理事会は議場に集合するか、電子メール等の電子手段で開催できる。
  6. 理事会は、理事の過半数の承認を得て議決する。

  第14条 (事務局)

  1. 本会の事務を処理するため事務局を置く。
  2. 事務局長は事務局を統括管理運営する。
  3. 事務局には所要の職員を置くことができる。
  4. 職員は事務局長の意見により、会長が任免する。

• 第5章 資産および会計

  第15条 (資産の構成)

  1. 本会の資産は以下の通りとする。
     1. 資産から生じる収入益
     2. 事業にともなう収入益
     3. 寄付金品
     4. 本会資産により調達した設備
     5. その他収入

  第16条 (資産の管理)

  1. 本会の資産は、理事会の承認を得て事務局長がこれを管理し、理事会の指示を経て収支の管理にあたる。
  2. 資産の運用については、理事会の議決によって有効な管理をする。
  3. 本会の収支益は寄付行為の財源と成す。

  第17条 (経費の支弁)

  1. 本会の運営および事業遂行に要する費用は、本会の資産をもって支弁する。

  第18条 (会計年度)

  1. 本会の会計年度は4月1日より翌年3月末日までとする。

  第19条 (事業計画および収支予算)

  1. 本会の事業計画およびこれにともなう収支予算は、理事会で編成し、議決を経た上で、会計年度毎に会員に文章をもって報告しなければならない。

  第20条 (収支決算)

  1. 本会の収支決算報告は理事会が作成し、財産目録、事業報告書、収支決算書等 その他で決定した事項を監事の承認を得て、会員に文書をもって報告しなければ ならない。

• 第6章 その他

  第21条 (解散)

  1. 本会の解散には、総会において正会員の出席者4分の3以上の賛成を要する。

  第22条 (改正)

  1. この規約の改正には、総会において正会員の出席者過半数の賛成を要する。
  2. ただし、本会の解散に関する条項についてのみ、その改正には総会において正会員の出席者4分の3以上の賛成を要するものとする。

  第23条 (細則)

  1. この規約を執行するために必要となる細則は、別に定める。

• 附則
  1. この規約の規定は、本会の設立総会において議決された日から適用する。
  2. 本会の設立当初の会計年度は、第18条の規定にかかわらず、この規約の成立の日から 平成10年度3月末までとする。
  3. 本会の設立当初における役員の任期は、第9条および 第10条の規定にかかわらず、 選任された日から平成10年3月末までとする。ただし第10条4項(2) の適用にあたっては、 設立初年度が1年に満たないことにかかわらず、これを1期として数える。
  4. 本会の設立初年度の事業計画および収支予算は、第12条の規定にかかわらず、 設立総会において決定する。

This regulation is written by Fumitoshi Ukai and Yoshiaki Yanagihara. Copyright © 1997 Debian JP Project
This regulation is revised by T. Sano, and the board of Debian JP Project. Copyright © 2001 Debian JP Project
This regulation is revised by Kenshi Muto, and the board of Debian JP Project. Copyright © 2003-2004 Debian JP Project
This regulation is revised by Nobuhiro Iwamatsu, and the board of Debian JP Project. Copyright © 2017 Debian JP Project